要点ノート
危険物取扱者 乙種第4類(乙4)の覚えるポイントを、ドリルの27スキルごとにまとめたテキストです。問題を解く前の予習や、まちがえたあとの見直しに使ってください。
図と例題で「なぜそうなるか」から読みたいときは教科書へ。
法令(消防法・危険物の規制に関する政令)や消防庁などの公式資料をもとにまとめています(2026年10月時点)。法令は改正されることがあるので、試験の前には必ず最新の公式資料で確認してください。
危険物に関する法令科目1・15問
危険物の分類
危険物の「類」と品名の骨組み。乙4は第4類(引火性液体)が主役で、他の類との違いも問われます。
- 危険物は消防法別表第1で6つの類に分けられる。第1類=酸化性固体、第2類=可燃性固体、第3類=自然発火性物質及び禁水性物質、第4類=引火性液体、第5類=自己反応性物質、第6類=酸化性液体
- 第4類は「引火性液体」。品名は特殊引火物、第1〜第4石油類、アルコール類、動植物油類に分かれる
- 石油類は引火点で区分される(第1=21℃未満、第2=21℃以上70℃未満、第3=70℃以上200℃未満、第4=200℃以上250℃未満)
- 同じ類でも性質は品名ごとに違う。類の共通性質と、品名ごとの例外(水溶性かどうか等)をセットで覚える
- 危険物に該当するかどうかは、政令で定める試験・性状の基準で決まる(品名に載っていても基準外なら危険物にならないことがある)
出典の目安:消防法 別表第1、危険物の規制に関する政令
教科書で図と例題を見る → もくじへ指定数量
指定数量は乙4の計算問題の心臓部。品名ごとの数字と「倍数」の求め方を押さえます。
- 指定数量:特殊引火物50L、アルコール類400L、第1石油類は非水溶性200L・水溶性400L、第2石油類は非水溶性1,000L・水溶性2,000L、第3石油類は非水溶性2,000L・水溶性4,000L、第4石油類6,000L、動植物油類10,000L
- 代表例:ガソリンは第1石油類(非水溶性)で200L、灯油・軽油は第2石油類(非水溶性)で1,000L、重油は第3石油類(非水溶性)で2,000L
- 倍数 = 貯蔵・取扱う量 ÷ 指定数量。複数の品名があるときは、品名ごとに倍数を出して合計する
- 倍数が1以上なら製造所等の規制対象。1未満でも無規制ではなく、少量危険物として市町村の火災予防条例の対象になる
- 指定数量は「危険性の大きさ」の物差しでもある。引火点が低いものほど指定数量は小さい
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3(指定数量)
教科書で図と例題を見る → もくじへ製造所等の区分
製造所等の「場所の区分」。製造所・貯蔵所7種・取扱所4種の名前と役割を正確に。
- 危険物を指定数量以上扱う施設は「製造所等」と総称され、製造所、貯蔵所、取扱所に分かれる
- 貯蔵所は7種類:屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、屋外貯蔵所
- 取扱所は4種類:給油取扱所(ガソリンスタンド)、販売取扱所、移送取扱所(パイプライン)、一般取扱所
- 移動タンク貯蔵所は車両に固定されたタンク(タンクローリー)。常置場所を管轄する市町村長等の許可を受ける
- 製造所等を設置・変更するときは市町村長等の許可が必要。完成検査を受けて完成検査済証の交付を受けるまで使用できない
- 指定数量未満の貯蔵・取扱いは「少量危険物」として市町村の火災予防条例に従う
出典の目安:消防法 第10条・第11条、危険物の規制に関する政令
教科書で図と例題を見る → もくじへ貯蔵・取扱いの基準
貯蔵・取扱いの共通基準。火気・温度・容器・表示のルールで、品名を問わず適用される決まり。
- 危険物は、火花・高熱・直射日光を避け、換気のよい冷暗所に貯蔵するのが基本
- 貯蔵所では、定められた品名以外の物品や、不要な可燃物を置かない。みだりに火気を使用しない
- 容器は危険物の性質に適したものを用い、破損・腐食・漏れがないようにし、密栓して貯蔵する
- 危険物のくずやかすは、毎日1回以上、決められた方法で廃棄するなど、整理・清掃を保つ
- 貯蔵・取扱いの技術上の基準は政令で定められ、違反すると使用停止等の命令の対象になる
- 類が異なる危険物を同一の貯蔵所に貯蔵することは、原則として禁止(性質が衝突する組合せは特に危険)
出典の目安:危険物の規制に関する政令(貯蔵・取扱いの基準)
教科書で図と例題を見る → もくじへ位置・構造・設備の基準
製造所等の位置・構造・設備の基準。保安距離・保有空地・建物の数字が中心です。
- 製造所等は、学校・病院・住宅などから安全な距離(保安距離)を保って設置する。距離は対象物と施設の種類で決まる
- 敷地内には、周囲に保有空地(何も置かない空地)を設ける。幅は施設の区分と指定数量の倍数で決まる
- 屋内貯蔵所は原則として平屋建て、床面積は1,000㎡以下、軒の高さは6m未満(一定のものは除く)
- 貯蔵タンクや建物には、採光・照明・換気の設備と、蒸気を屋根付近に滞留させない構造が求められる
- 第4類の貯蔵所等には「火気厳禁」等の掲示板を見やすい場所に設ける
- 避雷設備は、指定数量の倍数が10以上の製造所等(一定のものを除く)に必要
出典の目安:危険物の規制に関する政令(位置・構造・設備の基準)
教科書で図と例題を見る → もくじへ運搬の基準
運搬の基準。容器の表示と積載方法、混載の禁止が試験の中心です。
- 運搬容器は、危険物の性質に適し、政令の技術基準に適合したものを用いる。容器には品名・危険等級・化学名・数量・注意事項(「火気厳禁」など)を表示する
- 容器を車両に積み重ねる高さは3m以下。落下・転倒・破損しないように積載する
- 類が異なる危険物の混載は原則禁止。ただし一定の組合せ・数量では認められる場合がある
- 運搬の際は、容器の積替えや荷役で火気を使わない。運搬する危険物が漏れたら応急措置と届出を行う
- 指定数量以上の運搬では、車両に「危」の標識を掲げる。消火設備を備える場合もある
- 移送(パイプライン)と運搬(車両等)は別の概念。移動タンク貯蔵所による移送は移送の基準に従う
出典の目安:危険物の規制に関する政令(運搬の基準)
教科書で図と例題を見る → もくじへ免状と保安講習
免状と保安講習。誰が扱えるか、免状の書換え、講習の周期を押さえます。
- 製造所等で危険物の取扱作業をするには、危険物取扱者免状が必要で、保安監督者の立会いが要る場合がある。免状のない者は、甲種・乙種の免状を持つ者の立会いがあれば作業できる
- 丙種は扱える危険物が限定される(ガソリン・灯油・軽油・重油など指定された品名のみ)
- 免状は都道府県知事が交付する。本籍・氏名が変わったら書換えを申請する。写真の書換えは10年ごとに必要
- 免状を亡失したら再交付を申請できる。汚損・破損のときも再交付の対象
- 保安講習:免状の交付を受け、製造所等で危険物の取扱作業に従事している者は、3年以内ごとに都道府県知事等が行う講習を受けなければならない
- 危険物取扱者試験に合格しても、免状の交付申請をしなければ取扱作業はできない
出典の目安:消防法 第13条の2〜第13条の23付近(免状・保安講習)
教科書で図と例題を見る → もくじへ定期点検と予防規程
定期点検と予防規程。点検の周期・記録の保存と、予防規程の認可が中心です。
- 製造所等の所有者等は、技術上の基準に適合するよう維持し、政令で定める製造所等は定期に点検して記録を作成・保存する
- 定期点検は原則として1年に1回以上。点検記録は3年間保存する
- 地下タンク貯蔵所などでは、漏れの点検(漏えい検査)も定期に行う
- 予防規程は、一定規模以上の製造所等で定め、市町村長等の認可を受ける。火災予防のための組織・点検・教育などを定める内部規程
- 予防規程を変更するときも認可が必要。従業員は予防規程を守らなければならない
- 市町村長等は、基準不適合の施設に改修・使用停止などの命令を出すことができる
出典の目安:消防法 第14条の2・第14条の3付近(維持管理・定期点検・予防規程)
教科書で図と例題を見る → もくじへ保安監督者と統括管理者
保安監督者と保安統括管理者。選任の要件と役割の違いを押さえます。
- 危険物保安監督者:製造所等の所有者等が選任し、市町村長等へ届け出る。甲種または乙種の免状を持ち、6か月以上の取扱実務経験がある者から選ぶ
- 監督者は、取扱作業の立会い、設備の保安管理、火災時の応急措置の指揮など、保安の監督を行う
- 監督者が不在・病気などのときは、あらかじめ代行者を定めておく
- 危険物保安統括管理者:大規模な事業所(指定数量の倍数の合計が大きい事業所)で選任し、監督者などを指揮して事業所全体の保安を統括する
- 施設を使わなくなった場合や監督者を解任した場合も、遅滞なく届け出る
- 保安教育:所有者等は、危険物の取扱作業に従事する者へ保安教育を行うよう努める(予防規程に定める施設では計画的に実施)
出典の目安:消防法 第13条(保安監督者等)
教科書で図と例題を見る → もくじへ許可・届出・完成検査
許可・届出・完成検査。設置から使用開始までの手続きの流れと、各種届出を整理します。
- 流れ:設置(変更)許可申請 → 工事 → 完成検査前検査(タンク水張検査等)→ 完成検査 → 完成検査済証の交付 → 使用開始
- 仮使用:完成検査の前に、承認を受けた部分について仮に使用できる制度がある
- 届出が必要な主な事項:所有者等の住所・氏名の変更、施設の廃止、保安監督者の選任・解任、危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更など
- 倍数や品名の変更届は、変更の内容によっては許可が必要な「変更」に当たることがある(軽微な変更は届出)
- 譲渡・引渡しや相続・合併があったときは、地位の承継の届出をする
- 事故が起きたときは、応急措置とともに、消防機関への通報・届出が必要
出典の目安:消防法 第11条付近(許可・完成検査・届出)
教科書で図と例題を見る → もくじへ基礎的な物理学及び基礎的な化学科目2・10問
物質と状態変化
物質の三態と状態変化。蒸発と沸騰の違い、蒸気圧の考え方が燃焼・引火の理解につながります。
- 物質には固体・液体・気体の三態があり、温度や圧力で姿が変わる(融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華)
- 蒸発は液体の表面から、沸騰は液体の内部からも気化が起こる現象。沸騰は、飽和蒸気圧が外圧と等しくなったときに起こる
- 気圧が低い場所では沸点は下がる。沸点は物質ごとに決まっている
- 液体が蒸発すると体積は大きく膨らむ(ガソリン1Lの蒸気は元の百数十倍の体積になる)
- 混合物のうち、成分が均一に混ざったものを溶液といい、溶けている物質が溶質、溶かす液体が溶媒
- 比重 = 物質の密度 ÷ 水の密度(4℃)。第4類の多くは比重が1より小さく、水に浮く
出典の目安:消防庁「危険物取扱者試験」例題の範囲に準拠した基礎物理・化学
教科書で図と例題を見る → もくじへ熱と温度
熱と温度の基礎。比熱・熱膨張・熱の伝わり方は、タンクの管理や火災の広がり方と直結します。
- 温度は熱さ・冷たさの程度、熱量はエネルギーの量。熱量の単位はジュール(J)やカロリー(cal)
- 比熱 = 物質1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量。水の比熱は大きく、温まりにくく冷めにくい(消火に水が効く理由のひとつ)
- 熱容量 = 物体全体の温度を1℃上げるのに必要な熱量(比熱×質量)
- 熱は伝導(固体中を伝わる)・対流(流体の流れで運ばれる)・放射(赤外線で伝わる)の3通りで移動する。火災の延焼は主に対流と放射
- 多くの物質は温度が上がると膨張する(熱膨張)。液体の膨張率は固体より大きく、タンクに空間(すき間)を残す理由になる
- 温度計の目盛り:絶対温度(K)= セ氏温度(℃)+273
出典の目安:基礎物理・化学(熱)
教科書で図と例題を見る → もくじへ気体と圧力
気体と圧力。ボイル・シャルルの法則と、蒸気の重さ(蒸気比重)が試験の中心。
- ボイルの法則:温度が一定なら、気体の体積は圧力に反比例する
- シャルルの法則:圧力が一定なら、気体の体積は絶対温度に比例する
- 標準状態は0℃・1気圧(101.3kPa)。気体1molの体積は標準状態で約22.4L
- 蒸気比重 = 蒸気の密度 ÷ 空気の密度(空気を1とする)。ガソリン蒸気は約3〜4で、空気より重い
- 圧力の単位はパスカル(Pa)。1気圧 = 101.3kPa = 1013hPa
- 密閉容器を加熱すると内部の圧力が上がり、破裂の危険が生じる
出典の目安:基礎物理・化学(気体)
教科書で図と例題を見る → もくじへ燃焼の仕組み
燃焼の仕組み。燃焼の三要素、引火点・発火点・燃焼範囲は乙4の最頻出テーマ。
- 燃焼の三要素は、可燃物・酸素供給体(空気など)・点火源(熱源)。どれか1つを取り除けば消火できる
- 引火点 = 火源を近づけたときに引火する最低の液体温度。発火点(着火温度)= 火源なしで自然に燃え始める最低温度。発火点は引火点より高い
- 燃焼範囲 = 可燃性気体と空気の混合気が燃える濃度の範囲。下限より薄くても上限より濃くても燃えない
- 粉じんや可燃性蒸気が空気と混合すると、爆発的に燃えることがある(粉じん爆発・蒸気爆発)
- 不完全燃焼では一酸化炭素(CO)が発生する。無色無臭で毒性が強く、火災時の死因になりやすい
- 燃焼は「酸化反応」の一種で、発熱と発光を伴う急激な酸化が燃焼、緩やかな酸化はさびなど
出典の目安:基礎物理・化学(燃焼)
教科書で図と例題を見る → もくじへ静電気
静電気。第4類の火災原因として頻出。発生の仕組みと、接地・加湿などの対策を押さえます。
- 静電気は、液体の流動・摩擦・噴出などで発生する。第4類の多くは電気を通しにくく、帯電しやすい
- 静電気の火花放電が、引火点の低い蒸気の点火源になる(火花のエネルギーは小さいが、引火には十分な場合がある)
- 対策の基本:接地(アース)して電荷を逃がす、流速を抑える、配管やタンクの導通を保つ
- 湿度を上げると帯電しにくくなる。作業時は帯電防止の作業服・靴を用いる
- タンクへの注入では、飛散や攪拌を避け、液面が落ち着くまで静置時間をとることも有効
- 静電気は乾燥した冬季に発生しやすい
出典の目安:基礎物理・化学(静電気)、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ化学反応の基礎
化学反応の基礎。酸化と還元、熱化学反応、反応速度の考え方が出題範囲です。
- 化学変化では、反応の前後で原子の種類と数は変わらない(質量保存の法則)
- 酸化 = 酸素と化合する・水素を失う・電子を失う反応。還元はその逆
- 発熱反応(燃焼など)と吸熱反応がある。反応熱は反応の前後のエネルギー差
- 反応速度は、温度が高いほど、濃度が大きいほど、接触面積が大きいほど速くなる。触媒でも変わる
- 可逆反応では、正反応と逆反応の速度がつり合った状態が平衡
- 有機化合物は炭素を中心骨格とする化合物。第4類の多くは有機化合物(炭化水素とその誘導体)
出典の目安:基礎物理・化学(化学反応)
教科書で図と例題を見る → もくじへ酸・塩基と金属
酸・塩基と金属。pH、中和、金属のイオン化傾向が中心。第6類や第2類の性質ともつながります。
- 酸は水素イオン(H+)を出し、塩基(アルカリ)は水酸化物イオン(OH−)を出す。pH7が中性、小さいほど酸性が強い
- 酸と塩基が反応して互いの性質を打ち消すのが中和。塩(えん)と水が生じる
- 金属のイオン化傾向:カリウム・ナトリウムは大きく(反応しやすい)、銅・銀は小さい。イオン化傾向の大きい金属は水や酸と反応して水素を発生する
- 酸化されやすい金属ほど反応が激しい。アルミニウムや亜鉛は、酸にも強アルカリにも溶ける(両性)
- 濃硫酸には強い酸化作用と脱水作用がある。薄めるときは水に濃硫酸を少しずつ加える(逆は危険)
- 電池は、イオン化傾向の異なる2種の金属と電解液で電流を取り出す仕組み
出典の目安:基礎物理・化学(酸・塩基と金属)
教科書で図と例題を見る → もくじへ消火の化学
消火の化学。消火の4方法と、消火剤ごとの向き不向きを化学の側から整理します。
- 消火の方法は4つ:除去(可燃物を断つ)、窒息(酸素濃度を下げる)、冷却(温度を引火点・発火点以下にする)、抑制(燃焼の連鎖反応を断つ)
- 水は冷却効果が大きく、比熱と蒸発熱で熱を奪う。ただし油火災への棒状注水は、油を飛散・拡散させて危険
- 泡消火剤は窒息と冷却。油面を覆って蒸気を抑える。水溶性の液体には耐アルコール泡が必要
- 粉末消火剤は抑制作用(負触媒効果)が主。二酸化炭素は窒息作用で、電気機器にも使える
- ハロゲン化物消火剤は抑制作用が強い
- 燃焼の連鎖反応を断つ「抑制」は、粉末やハロゲン化物の速い消火の理由
出典の目安:基礎物理・化学(消火)、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法科目3・10問
第4類 共通の性質
第4類に共通する性質のまとめ。「蒸気は低所にたまる」「静電気をためやすい」が二大ポイント。
- 第4類は引火性液体。引火点が低く、常温でも引火する蒸気を出すものが多い
- 液体そのものが燃えるのではなく、蒸発した蒸気が空気と混ざって燃える(燃焼は蒸気と空気の混合気で起こる)
- 蒸気は空気より重いものが多く、低い場所やくぼみにたまりやすい。離れた火源で引火して火が戻る(引火の逆流)こともある
- 多くは水より軽く(比重1未満)、水に溶けにくい。水溶性のもの(アルコール類、アセトンなど)は例外として覚える
- 電気を通しにくい(不良導体)ため、流動や攪拌で静電気が発生・蓄積しやすい。静電気の火花が点火源になる
- 引火点が低いほど危険。火気の管理、換気、静電気対策が第4類の火災予防の基本
出典の目安:消防法 別表第1、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ特殊引火物
特殊引火物。引火点・発火点が極端に低く、第4類で最も危険なグループ。代表4品目の数字を押さえます。
- 特殊引火物の定義:発火点が100℃以下のもの、または引火点が−20℃以下で沸点が40℃以下のもの。指定数量は50L
- ジエチルエーテル:引火点約−45℃、発火点約160℃。麻酔性があり、蒸気は空気より重い。空気と触れると過酸化物を作りやすい
- 二硫化炭素:引火点−30℃以下、発火点約90℃(最も低い部類)。水より重く(比重約1.26)、水に溶けにくいので水中(水没)で貯蔵できる。毒性が強い
- アセトアルデヒド:引火点約−39℃、沸点約21℃。水によく溶ける
- 酸化プロピレン:引火点約−37℃、沸点約34℃。水に溶ける
- 共通の注意:わずかな火花や静電気でも引火する。冷暗所に密栓して貯蔵し、火気を厳禁とする
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへアルコール類
アルコール類。水に溶けることが最大の特徴で、消火方法(耐アルコール泡)にも影響します。
- アルコール類は、炭素数が1〜3の飽和一価アルコール(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール)。指定数量は400L
- 水に任意の割合で溶ける(水溶性)。水で薄めると引火しにくくなる
- 引火点は低く、メタノール約11℃、エタノール約13℃。常温でも引火の危険がある
- メタノールには毒性があり、飲むと失明や死亡の危険がある。エタノールは酒類の成分でもある
- 燃焼の炎は色が薄く、昼間は見えにくいことがある
- 消火には耐アルコール泡(水溶性液体用の泡消火剤)を使う。通常の泡は水溶性の液体で壊れてしまう
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ第1石油類
第1石油類。引火点21℃未満のグループで、ガソリンが代表。常温での引火性が最大の注意点。
- 第1石油類は引火点21℃未満の石油類。指定数量は非水溶性200L・水溶性400L
- ガソリン:引火点は−40℃以下。蒸気は空気より重く(蒸気比重約3〜4)、低所にたまる。燃焼範囲は約1.4〜7.6%。オレンジ色に着色されている
- ベンゼン:引火点約−11℃。毒性(発がん性)が強く、水に溶けにくい
- アセトン:引火点約−20℃。水に任意の割合で溶ける(水溶性)。有機溶剤として広く使われる
- トルエン・キシレン:塗料や接着剤の溶剤。水に溶けにくい
- 常温でも引火する蒸気を十分に出すため、火気・静電気への対策は第4類の中でも特に厳重にする
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ第2石油類
第2石油類。引火点21℃以上70℃未満。灯油・軽油が代表で、生活に最も身近なグループです。
- 第2石油類は引火点21℃以上70℃未満。指定数量は非水溶性1,000L・水溶性2,000L
- 灯油:引火点は40℃以上(約40〜50℃)。暖房用などで広く使われる。ガソリンと違い、常温では引火しにくいが、加熱や霧状になると引火する
- 軽油:引火点は45℃以上。ディーゼルエンジンの燃料
- 酢酸:引火点約39℃の水溶性の第2石油類。金属を腐食させる性質がある
- 灯油とガソリンの混同事故に注意。ガソリンは赤色系、灯油は無色〜淡黄色で、容器の表示確認が重要
- 加熱された状態(高温の物体に触れる、噴霧される)では第1石油類と同じように危険になる
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ他の類の性質
他の類の性質。第4類との対比で問われます。各類の代表物質と「水との関係」が鍵。
- 第1類(酸化性固体):塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウムなど。自らは燃えないが、加熱・衝撃・摩擦で酸素を出し、可燃物の燃焼を激しくする。水との接触で危険なものもある
- 第2類(可燃性固体):硫黄、赤りん、鉄粉・アルミニウム粉などの金属粉。金属粉は水や酸と反応して水素を出すものがある
- 第3類(自然発火性・禁水性):カリウム・ナトリウムは水と激しく反応して水素を出し発火する。保護液(灯油など)の中に保存する。黄りんは空気中で自然発火するので水中保存
- 第5類(自己反応性物質):ニトロ化合物(トリニトロトルエン等)や有機過酸化物。加熱・衝撃で爆発的に自己反応する
- 第6類(酸化性液体):過塩素酸、過酸化水素、硝酸。可燃物と混ぜると発火・爆発の危険。過酸化水素は分解して酸素を出す
- 類ごとの消火も対照的:第3類の禁水物質に水は厳禁、第1類・第6類は大量の水で冷やす消火が基本になるものが多い
出典の目安:消防法 別表第1、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ第3・第4石油類
第3・第4石油類。引火点が高く常温では引火しにくい一方、加熱時の危険と環境面が論点です。
- 第3石油類は引火点70℃以上200℃未満。指定数量は非水溶性2,000L・水溶性4,000L。代表は重油、クレオソート油、アニリン、ニトロベンゼン
- グリセリンは水溶性の第3石油類(指定数量4,000L)
- 第4石油類は引火点200℃以上250℃未満。指定数量6,000L。代表は潤滑油(ギヤー油・シリンダー油など)
- 常温では蒸気が出にくく引火しにくいが、加熱して引火点以上になると燃える。布などに染み込むと発火しやすくなる
- 重油は燃えると多量のすすと熱を出す。水より重いもの(C重油など)もある
- 油が河川や海に流れると油膜を作り、環境汚染と火災拡大の原因になる
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ動植物油類
動植物油類。乾性油の自然発火が最大の論点。指定数量は第4類で最大です。
- 動植物油類は、動物・植物から抽出した油で、引火点250℃未満のもの。指定数量は10,000L
- 乾性油(アマニ油、桐油など)は空気中の酸素と反応しやすく、布や紙に染みた状態で放置すると酸化熱が蓄積して自然発火することがある
- ヨウ素価が大きい油ほど乾性が強く(乾性油>半乾性油>不乾性油)、自然発火しやすい
- 油染みた布は、金属製のふた付き容器に入れるなど、熱がこもらない管理が必要
- 天ぷら油など食用油も、加熱しすぎると発火点に達して燃え出す(天ぷら油火災)
- 水をかけると油が飛散して危険。天ぷら油火災には蓋で窒息させる、消火器を使う
出典の目安:危険物の規制に関する政令 別表第3、消防庁の危険物資料
教科書で図と例題を見る → もくじへ火災予防と消火
火災予防と消火の総まとめ。火災の種類、消火設備、油火災の鉄則を押さえます。
- 火災の分類:A火災(普通火災)、B火災(油火災)、C火災(電気火災)。消火器は適応する火災の種類を選んで使う
- 第4類の火災(B火災)に適する消火:泡・粉末・二酸化炭素・ハロゲン化物。水の棒状注水は油を拡散させるので不適。霧状の水は冷却・窒息に使える場合がある
- 初期消火の限界は「炎が天井に達するまで」が目安。それを超えたら避難と通報を優先する
- 予防の基本:火気管理、整理整頓(可燃物をためない)、換気(蒸気を滞留させない)、静電気対策、漏えいの早期発見
- 屋外タンク貯蔵所などの大規模火災では、冷却注水で隣接タンクへの延焼を防ぐ
- 消火設備は施設の区分ごとに設置が義務付けられる(屋内消火栓、スプリンクラー、泡消火設備、消火器など)。定期点検の対象でもある
出典の目安:消防庁の危険物資料、消防用設備等の基準
教科書で図と例題を見る → もくじへ